山歩きのススメ – 岩崎元郎の山談義

山歩きのススメ

「歩く」ことは、人が人としてあり続けるために、欠くことのできない大切な運動である。

今年の3月でぼくは75歳。周辺も高齢化しているが、皆さんまだまだ元気で一緒に山歩きを楽しんでいる。そんな我々の間にも、「歩けなくなったらおしまいね」という言葉が飛び交うようになった。

二本の足で立ち、歩き続けるためには抗重力筋、即ち、腹筋・背筋・大&中臀筋(お尻の筋肉)・大腿四頭筋・下腿三頭筋という五つの筋肉の筋力が維持されていることが必要だ。

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人は二本の足で歩き回る動物として、この世に誕生した。日常生活で歩き回っていれば、抗重力筋は必要な筋力を維持しうる。

しかし、二本の足のおかげで自由を獲得した手と頭が、歩かなくて済む様々な道具を発明してきた。電車、自動車、新幹線、様々な道具を利用して歩かないで済ますようになった。気がつけば、あいつもこいつも生活習慣病。医者のアドバイスは、「運動しなさい」である。

振り出しに戻るが、「歩く」ことは人にとって欠かすことのできない大切な運動だ。だとしたら楽しく歩きたい。いつまでも退屈することなく楽しく歩き続けるお勧めの歩きは、「山歩き」。

先日、高尾山を歩いてきた。豊島区在住のぼくには近くてよき山である。最寄りの大塚駅から新宿駅まで170円、新宿から京王線高尾山口駅まで390円。コースもいろいろあるし、いざとなったらケーブルカーも利用できる。歩いたのは稲荷山コース。ミシュラン三ッ星を取ってしまったので、ウィークエンドの日中は人出が多い。それを知っているから、
ウィークデーの早朝に我が家を出た。

ケーブルカーの乗り場を右手にやり過ごし、コースにかかる。ゆっくり歩幅を小さく足を上げていく。バテない山の登り方だ。ジャスト1時間、山頂までの中間地点、稲荷山に到着。ほっと一息つく。爽やかな風がほほをなでる。

幸せだなあと思う、生きていることを実感する。山歩きをお勧めする理由が、ここにある。

「山歩き」、はじめてみませんか。

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