山での道迷いを防ぐ、suuntoウォッチの使い方(後編)

前編で紹介した、僕が山行で愛用しているSuunto 9 Baroを使った、山での道迷いを防ぐナビゲーション機能について、その使い方や設定について手順を追って解説したいと思います。お使いのsuuntoウォッチとスマホアプリのsuuntoアプリは接続済みの状態であることが前提ですので、その設定方法については割愛しています。

手順の概要

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やるべきことの概要と手順は以下になります。

  1. ルートを作成し、GPX形式のデータに変換する
  2. 作成したルートのGPXデータをsuuntoアプリに取り込む
  3. 山で使う

以上です。簡単ですね(笑)

それでは順を追って手順を説明します。

作業環境は、基本的にスマホだけあれば完結しますが、PCを使っても可能です。今回使用したスマホは

  • iPhone7 (iOS 13.3)

でした。Androidのスマホでももちろん可能ですが、基本的に今回の手順と変わりませんので割愛させていただきます。

1.ルートを作成し、GPX形式のデータに変換する

これから歩こう(走ろう)と思っているルートの作成は、大別すると「自分でルートを作成する」方法と、「誰かの記録をルートとして取り込む」方法の2つがあります。いずれの場合も最終的にGPX形式のデータとして保存する必要があります。

1.1 自分でルートを作成する

スマホでルートを作成できるアプリとして「Geographica」と「スーパー地形」がありますので、それらのアプリを使った方法を解説します。

Geographicaでルートを作成する方法

まず、ルートを作りたい山域の地図を表示します。ルートのスタート地点に十字をあわせ、画面右側に配置されている「マーカー追加」のアイコン(下記の写真の赤枠)をタップします。

続いて青丸をタップします。

これで地図上にマーカーが作られます。あとは行きたいルートにそってこのマーカーを追加していきます。細かく設置すればするほど詳細なルートが作られますが、それはそれで面倒ですので方向が変わる地点などにマーカーを置くと良いと思います。

下山地点までマーカーを追加し終えたら、今度は左上のメニューアイコンをタップして、「ツール」→「地図からルート作成」を選びます。

さきほど追加したマーカー(紫のひし形というか四角)をスタート地点から順番にタップしていくとマーカー間に赤線がひかれてルートが可視化されていきます。

下山地点までタップしおえたら青丸をタップします。

するとルート名の入力を促されますので適当に名前を決めて、青丸をタップします。これでルートがGeographicaアプリ内に保存されます。

ちなみにGeographicaでは青丸が決定ボタンの意味で使われているようです。これに限らずGeographicaではあまり直感的ではないユーザーインターフェースが随所に使われており、操作に慣れが必要です。

さて、続いて今度はまた左上のメニューアイコンから「ファイル」→「ルート」をタップします。

するとさきほど保存したルートが一覧に表示されますので、そのルート名の左側の薄い緑のチェックマークをタップすると濃い緑にかわり、選択された状態になります。

次に、左下緑のチェックマークをタップし「エクスポート」をタップします。

画面下からエクスポート先のメニューがヌッと出てきますので、「ファイルに保存」をタップします。

「ファイルに保存」をタップ後、保存先を選ぶのですが、今回は保存先として「このiPhone内」を選択します。が、別にiCloudでもgoogle driveでもdropboxでもなんでもお使いのクラウドストレージを選択して保存してももちろん構いません。

ここまでで、Geographicaを使ったルートの作成とGPX形式への変換は完了です。

スーパー地形でルートを作成する方法

スーパー地形はGeographicaよりは操作にクセは少ないと思います。

ルートを作成したい山域の地図を表示したら、画面下部の「GPS」→「トラックの作成」をタップします。

続いてトラックの種類を選択しますが、ここでは「地面に沿ったトラック」を選択します。

画面中央の十字マークをスタート地点にあわせ、「追加」をタップします。

これで地図上にマーカーが作られます。あとは行きたいルートにそってこのマーカーを追加していきます。マーカーを追加していくと自動的に青いラインが引かれ、ルートが可視化されていきます。

下山地点までルートを引いたら、画面左下の「完了」をタップします。

ルートの名称を適当に入力して「OK」をタップします。

次に、再び画面下の「GPS」をタップし、今度は「トラック(軌跡)一覧」をタップします。

さきほど作成したルートの左にある青丸をタップし、画面右下の「選択メニュー」をタップします。

「外部への出力>」をタップし、続いて「送る(メールなど)」をタップします。

「ファイルに保存」をタップします。

「ファイルに保存」をタップ後、保存先を選ぶのですが、今回は保存先として「このiPhone内」を選択します。

もちろん、iCloudでもgoogle driveでもdropboxでもなんでもお使いのクラウドストレージを選択してそこに保存してもももちろん構いません。

ここまでで、スーパー地形を使ったルートの作成とGPX形式への変換は完了です。

PCを使ってルートを作成する

Windowsの場合はカシミール3Dというソフトを使って、Macの場合はTraiNoteというソフトを使ってそれぞれルートを作成しGPXデータに変換することができます。今回はこれらのソフトを使った手順は割愛します。

1.2 誰かの記録をルートとして取り込む

ここまでは自分でイチからルートを作成する方法を説明しましたが、誰かが実際の山行で記録したルートをそのまま取り込むことも可能です。その場合、一番メジャーなのはヤマレコでしょう。たくさんの人が、さまざまな山行記録とルートデータを公開しており、直接GPXデータとして取り込むことが可能です。

ヤマレコのスマホアプリで取り込みたいルートの山行記録を表示し、GPSログ(GPX)をタップします。

ダウンロードをタップし、GPXデータのダウンロードが完了したら「次で開く」をタップします。

今回は「ファイルに保存」を選択し、保存先として「このiPhone内」を選択します。

ここはiCloudでもgoogle driveでもdropboxでもなんでもお使いのクラウドストレージを選択してももちろん構いません。

以上でヤマレコからルートの取り込みは完了です。

2.作成したルートのGPXデータをsuuntoアプリに取り込む

ここまでで、ルートをGPXデータとして保存することができていますので、次はそのデータをsuuntoアプリに取り込みます。この手順はとても簡単です。

suuntoアプリを立ち上げたら、画面下部の地図(のピン)アイコンをタップします。

画面右側の+マークをタップして「GPXをインポート」を選びます。

「このiPhone内」をタップするとさきほどの工程で保存したルートのファイルがありますので、それをタップすれば完了です。

取り込む際にルート名などを指定することが可能です。ここで入力したルート名がウォッチ内で表示されるようになります。ルート名を入力した「保存」を押して完了です。

「ウォッチで使用」が以下の状態になっていれば、時計側にデータが転送され使うことができる状態になります。

試しにsuntoウォッチで「ナビゲーション」→「ルート」を選択することルートデータが時計側に取り込まれた確認することができます。

これで実際の山行でナビゲーション機能が使えるようになりました。お疲れ様でした!

3.山で使う

実際に山で使うときには、さきほど確認した「ナビゲーション」→「ルート」から目的のルートを選択し、「ナビゲート」を選択すれば現在地と方角、ルートが表示されます。

suuntoウォッチで山行を記録しながらナビゲーション機能を利用することも可能です。そのためには、記録開始時に「オプション」を開き、「ナビゲーション」→「ルート」を選択肢、表示したいルートを選択すればOKです。

以上であなたも山で道に迷わないための協力なツールを利用することができます。ぜひ、次回の山行で試してみてはいかがでしょうか。きっと大きな安心感と充実した山行になることでしょう。

もちろん、100%このようなデジタルツールだけに依存するのではなく、基本となる山での行動知識や技術はベースとして身につけたうえでうまく活用するようにすることで、より安心して山行に臨むことができるでしょう。

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