やってはいけないテントの張り方や、注意するべき点、工夫など – 山の相談小屋

アクティビティ:一般登山, カテゴリ:山での行動方法・知識
相談者:MJK (男性/30代)
テントの張り方について、ほぼ独学といいますか見よう見まねでやっています。
強風時に飛ばされない張り方や、ベグと石どちらで固定するのが良いかなど実はよくわかっていません。
初心者にありがちなやってはいけないテントの張り方や、注意するべき点、工夫などアドバイスいただけますと助かります。
テントは、アライのエアライズ2を使用しています。

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JMIA認定インストラクター
栗山 祐哉
Kuri Adventures の栗山です。

テントの設営にはいくつかのポイントがあります。
まず第一として設営に適した場所。崖や斜面のすぐ下では落石のリスクがあり、逆にすぐ上では転滑落のリスクがあります。この様な場所は避けましょう。
またリッジ上では落雷のリスク、沢の中では増水のリスク、木の真下では落木のリスクなどがあります。
こう考えると、安全に張れる場所は自ずと限られてきます。

設営時は、地面の凹んだ部分を避ける事もまた重要です。雨が降ると水たまりになり、そこだけ水没する場合があります。
他にも可能な限り風が直接当たらない場所で、且つテントの入口側を風下にするなどの注意点も必要です。こうすることで、風雨がテント内に入り込みにくくなります。
これらを加味した上で、可能な限り平らな場所を探します。少しの斜めりが、睡眠を妨げる原因となります。

設営場所が決まったら、可能な限り地面から異物を取り除きます。小石や枝などを丁寧に取り除くことで、睡眠時の背中への当たりを軽減できます。またテントの床面部分の生地も傷めにくくなります。
テントを広げてポールを入れたら、まずは底面をペグダウンします。この時、短辺側二箇所をまずペグダウンし、もう反対側をしっかりと引っ張って、底面をキレイな長方形に張られるようにペグダウンします。床下に風が入らないようにしっかりと底面を地面に固定することで、耐風強度に大きな差が出ます。
続いてフライシートをかけ、ガイラインを張ります。ガイラインはテントポールからまっすぐ、天頂部からの延長になるように張ります。この事もまた、テントの耐風強度に大きな影響を与えます。
フライシートの中間部にあるゴムひもを大きく引っ張り、ちょうどテンションが掛かる位置にペグを打ちます。横に引っ張られるような感じでフライシートの底部を開くことで、テントとフライシートの貼り付きを防ぎます。フライシートに透湿性はないので、ここが貼り付いてしまうとテント内が結露してしまいます。

テント設営時の固定方法を石にするかペグにするかは、その時の状況によって異なります。
地面がある程度柔らかい場合にはペグが有効ですが、石が多いような場所ではペグが刺さらないような場所もあります。基本はペグダウンし、できない場合には石を使用するのが一般的かと思います。
石を使用する場合には十分な重さを出す必要があり、状況によっては複数個積み重ねて強度を出しましょう!
尚、雪の場合は、ペグを雪の中に埋める必要性があります。ペグループから直径20cm程度のアクセサリーコードの輪を作っておき、その先端にクローブヒッチでペグを固定します。そのペグを横埋めし、ペグをアンカーとします。雪は撹拌凝結作用があるので、埋めてから少し時間を置くことで固まります。

テント設営は簡単な様で、実はかなり奥深いものです。
なかなか文章だけでお伝えすることも難しく、実践の場でしか学べないことも多くあります。
Kuri Adventures では実際のテント泊を行いながら、現場で発生する様々なお悩みにお答えしながら、登山インストラクターとともに小さな問題を共に解決していく教育プログラムを実施しております。
何度もご参加頂くことで経験値を重ね、登山者としてのスキルを高めて頂ければと考えております。
是非ご検討下さい。

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解決相談者:MJKさん
非常に勉強になります。説明頂いただけでも知らないことだらけでした。また、講習で直接指導いただくというのは貴重ですね。ありがとうございました。

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