山でのトラブルに備えて持っていくべきもの – 山の相談小屋

アクティビティ:一般登山, カテゴリ:遭難・トラブル防止
相談者:T.K (男性/40代)
山でのトラブルに備えたファーストエイドキットとして持っていくべきものとして何があるでしょうか。2〜3泊の縦走を想定しており、必要最低限、あればベターなものなど教えていただけますと幸いです。

「いいね!」すると登山に関する情報を受け取れます↓

JMIA認定インストラクター
栗山 祐哉
Kuri Adventures の栗山です。
ファーストエイドキットに入れるものは” 自分自身が確実に使えるもの ” です。
例えば医療従事者であれば万が一の際にできる事はいろいろあると思いますが、ファーストエイドに関する知識を全く有さない方であればできることはかなり限定されると思います。
わからないことはやるべきではありません。

しかしファーストエイドの知識は、学習すれば身につくものです。
まずはアウトドアにおけるファーストエイドの専門書を読み、しっかりと覚え、それに必要なものを用意されるのが良いかと思います。
まずは道具よりもスキルです!
その上で、最低限以下のものを用意しておくと安心でしょう。

経口薬

 ・下痢止め
 ・胃薬(セルベールなどの胃粘膜保護剤、ガスター10などの胃酸分泌抑制剤、キャベジンなどの消化酵素剤の3種)
 ・解熱鎮痛消炎剤(ロキソニンなど、効き目が強いものを推奨。胃粘膜保護剤と共に使用することを推奨)
 ・抗ヒスタミン剤(アレルギーを抑えます)

外用薬

 ・イソジン消毒液(傷が深い時のみ使用)
 ・抗菌軟膏(化膿の可能性がある外傷)
 ・ステロイド軟膏(虫刺されや植物による強い被れ。感染症リスクがある場合は抗菌軟膏を併用すること)
 ・目薬(一回ずつ使える小分けタイプで、抗菌剤入りのものを選択)

医療品、衛生品

 ・絆創膏(小さいものから大きいものまで、数種類を用意。一番出番が多い医療品です)
 ・包帯
 ・ガーゼ(滅菌ガーゼが理想)
 ・三角巾
 ・テーピングテープ(指用、足首用の2サイズを用意)
 ・シーネ(登山用にはサムスプリントレギュラーサイズを推奨)
 ・アルコール除菌シート(一回ずつ小分けになっているものを選択)
 ・保護グローブ(ラテックスフリーのものを推奨。数枚持つ)
 ・コンドーム(傷の保護に使用。ラテックスフリーのものを推奨)
 ・ハサミ(テープカット用にギザギザのついたタイプが好ましい)
 ・ピンセット、又は毛抜き

エマージェンシーツール

 ・ノコギリ(担架、松葉杖などを作る際に必要。小さなもので可)
 ・細引き(3mm×10m程度。かなり多用途に使用)
 ・プラティパス(低体温症対策に使用。お湯を入れ、お腹の上に乗せて深部加温を行う)
 ・エマージェンシーシート(要救助者ラッピング、焚き火の雨除けなどに使用)
 ・ライター(防水処理を施す。メタルマッチ、着火剤なども携行すると尚良い)
 ・ゴミ袋(血液で汚れたものを入れたり、保温、防水、水汲みなどに活用)

などを一つにまとめて携行しています。
その他エマージェンシー装備として、日帰りでもツェルト、マット、寝袋、バーナー、ポータブルバッテリーなどを持ち歩いておりますが、これは職業登山者だからと言うこともあり、必ず必要なわけでもありません。
時期や状況を見て判断しましょう。(ツェルトやポータブルバッテリーくらいはいつも持ち歩くべきとは思いますが。)

但し上記しましたように、自分自身がしっかりと使い方を把握しているものに限りましょう。
使い方もわからないのに持ち歩くのは無駄となりますし、間違えた使い方はむしろリスクを増す場合があります。
そのあたりも十分に考慮し、ご用意頂く事が大切です。

ファーストエイドキットを買う前に、まずはその専門書を購入し、読んでみましょう!
その上で理解できる項目に必要なものだけを揃え、万が一に備えましょう。
ご参考にして頂ければ幸いです。

解決相談者:T.Kさん
なるほど、まずはファーストエイドの知識が必要ですね。そこから勉強したいと思います。ありがとうございました。

↓↓ あなたも気になることがあれば、気軽に聞いてみましょう! ↓↓

インストラクターに相談する(無料)

登山の総合スキルを体系的に学びたい方必見!

当サイト「GoALP – 山を楽しむ人のための安心・安全登山メディア」の監修者でもあり、登山を教えることのできる者が集まった非営利集団で、山岳事故を減らすための啓発活動をしている日本登山インストラクターズ協会(2013年創立・岩崎元郎代表)が、来春より開催する6期目「JMIA登山講習会」の受講者を募集しています。あなたも、一年かけて実際に山に登りながら山岳指導者の手ほどきをうけてみませんか?

沢、岩、雪山などの山仲間を作りたい方

四季を問わず縦走・岩登り・沢登りを始め、読図にこだわった藪山や雪山縦走、あるいはトレイルラン・アイスクライミング・山スキーに至るまで様々な趣向をもった山の仲間と、登山の基本技術項目15単位を入会者ご自身のペースで、およそ3年以内をめどに受講いただける登山講習です。

電子書籍:初級中級・登山の教科書を進呈

安全な登山のためには、総合登山力が必要になりますが、ネットや雑誌などで知る単発的、断片的な知識だけでは安全な登山のためには十分とはいえません。本書は、JMIA登山インストラクターの水上宏一郎・著、岩崎元郎・監修による、主に登山入門から5年目くらいまでの初級者・中級者に焦点を絞り、安全に登山を行う上で必須の知識を体系的にまとめたものです。

  • そういえば登山に関する知識ってきちんと学んだことない
  • 断片的に知ってはいるけど、全体的には知らないことが多い
  • 登山で怖い思いをしたが、どうすればよいかわからない

などに該当する方は必見の一冊となります


電子書籍(PDF)をダウンロード

SNSでもご購読できます。

キーワードで記事を検索

コメント

Comments are closed.