一般の登山道でも蜂がブンブン飛んでいる状況もあると思います。
刺されないための対策や、万が一刺された場合の対処法、ショック反応が出てしまった場合の対処法についてそれぞれできること、すべきことを教えていただけますと幸いです。
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栗山 祐哉
スズメバチに刺されて起こるショックの事をアナフィラキシーショックと言います。
原則として一回目の蜂さされで起こる事はなく、二回目以降で発生する可能性があります。
まずスズメバチに刺されない様にするためには、不用意に驚かない、慌てない事が大切です。
よほど何かに警戒している状況でもない限り、突然刺されることは極めて稀であり、まわりにブンブン寄ってきているのも、敵かどうかを見極めるための警戒と威嚇の行動です。
振り払ったりする事は絶対にせず、ゆっくりと姿勢を低くし、スズメバチが立ち去るのを待ちましょう。
何匹ものスズメバチがしつこく旋回している場合、近くに巣がある可能性があります。この場合には、姿勢を低くしてゆっくりと後ずさりし、スズメバチの警戒領域から外れる様にしましょう。
今期よりテイジンとアース製薬が開発した虫よけ繊維の衣服を使用していますが、スズメバチにも一定の効果がありそうな印象です。試してみるのも良いでしょう。
万が一刺された場合、毒液とともに攻撃フェロモンが注入されます。
そうなると一斉に襲い掛かってくるので、とにかく急いでその場を離れましょう。
スズメバチの難から逃れたら、可能であれば冷却し、悪化する前に下山を開始しましょう。
下山後は必ず病院にかかり、スズメバチ毒に対するアレルギー抗体検査を行います。
もしこれが陽性反応の場合、二回目以降の蜂さされ時にアナフィラキシーショックの可能性があります。
この場合にはエピペンと言う、エピネフリン製剤で血圧の急激な血圧低下症状を抑える薬をもらえます。
エピペンは他の薬との副作用で急激な血圧低下を引き起こしたり、ショック状態にない循環器系疾患者が使用した場合、急激な血圧上昇により健康被害をもたらす可能性もあるそうです。
必ず医師、薬剤師の指導を守り、適切に使用しましょう。
また必要な方以外が不用意に持ち歩き、無駄に使用することは大変危険です。逆に死亡事故に発展する場合も起こりえますので、絶対にやめましょう。
スズメバチ毒によるアレルギー抗体検査陽性反応が出てしまっている方は、毎度の登山で絶対にエピペンを忘れずに持ち歩きましょう。期限が短めの医薬品ですので、必ず使用期限を確認し、期限が切れる前には必ず医療機関を受診しておきましょう。
スズメバチ以外にアシナガバチなどでもアナフィラキシーショックは発生する場合があります。
毒性の強い虫に刺された場合、その虫を特定した上で医療機関に受診される事を推奨します。
不用意に恐れすぎる必要はありませんが、正しい知識を持ち、いざ刺された場合には必ず適切な処置を行うことが大切です。
ご参考にして頂ければ幸いです。
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