使っているバックパックが少し旧式で背中との間に隙間がなく,
歩行時に背中がむれ始め,次第に上半身で発汗し始めます.
前を開けられるウェアを着ている時はこまめに開けて蒸れを調節していますが,
気温が低い時になると”開けないと汗をかく.開けると身体が冷える.”の板挟みになります.
また,着ているもので調節しようとすると止まる頻度が増えて歩くリズムが作れません.
そもそも汗をかきにくい歩き方やバックパックの背負い方はあるのでしょうか.
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栗山 祐哉
背面がメッシュになって浮いているタイプのバックパックでない限り、完全に発汗を乾いた状態にすることはできませんが、歩行や衣類の在り方である程度は改善すると思います。
まずバックパックの背負い方ですが、これは基本セオリーを守ってしっかりと腰と背中で背負う必要があります。
ショルダーハーネスを緩めた状態でしっかりとウェストを締め込み、バックパックの荷重を腰に移します。その後ショルダーハーネスを引き、背中が密着する状態を作ります。この時方の上に指2本分程度の隙間がある状態にします。
最後にチェストベルトを繋ぎ、背中が密着する状態を作ります。
快適なフィッティングを行う為には、バックパックが背中にしっかりと面で当たっていることが大切です。
では汗による不快感を少しでも減らすためにはどうしたら良いか?
それは単純に発汗量を減らす努力を行うことが大切だと思います。運動強度を下げてを深部体温の上昇を防ぎ、衣類を薄くして放熱性を上げれば発汗量は減ります。
まず衣類ですが、行動開始前に肌寒いくらいの衣類の状態がちょうど良い保温力だと思います。この衣類の状態で心拍数120~140程度の範囲で行動することでそこまで汗をかかずに行動できると思います。
ゆっくり歩くって、登山ではとても大切な技術です。
この様な歩行ペースであれば、ほぼ休憩無しで歩き続けることができ、そもそも体が冷えることがあまりありません。
それでも体温が下がってしまう様な場合に限り衣類調整をしますが、日に1~2回程度に留めることができると思います。一方で昼食などで大休止を取る場合、仮にまだ寒くなくても、体温が下がる前にすぐ防寒着を来て体温を維持しましょう。
このペースの作り方は、なかなか初めのうちは分かりにくいものがあるかと思います。
歩行ペースを身につけるにはしっかりとした指導者監修のもとでの実践経験の積み重ねが重要です。
Kuri Adventures では実践山行企画を通じ、理想的な歩行ペースでの山行を行っています。
是非合わせてご利用願えれば幸いです。
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