登山の特に下りが苦手で、ザレていたりガレ場の下りとなると、相当慎重になって気も使ってしまい、心身ともに疲労が残ります。(白馬から帰ってきた翌日は、人生最大の筋肉痛に見舞われました…!)
自身の筋力やスキル不足があると思うのですが、どのようなことに気を付けて下ったらよいでしょうか。また下りが楽になるトレーニングなどがあれば教えていただきたいです。
「いいね!」すると登山に関する情報を受け取れます↓
岩崎 元郎
登りでは路面をま近に視認できるので、さほど問題は起こりませんが、目線が遠くなる下りでは、「滑りそうで怖い」などという不安が芽生え、苦手意識が発生します。
山登りのための最良のトレーニングは、山に登ることだといいます。下りの苦手意識を克服する方法も同様、山での下りを数多く体験することです。
滑り易い斜面に立っているとします。滑り易い斜面ではありますが、体重が鉛直方向にかかっている限り滑ることはなく、立っていられます。
この斜面を下るべく片足を一歩踏み下ろします。このとき動作に勢いがついていて、無造作にカカトから着地なんてことであると、バランスを崩し、滑って転んでしまいます。
体重が鉛直方向にかかっていれば滑ることのない斜面であれば、体重移動に注意を払って足を踏み下ろしていけば、滑ることはないはずなのです。
後足に残っていた体重を前足に、体重が鉛直方向にかかるように移動してやればよいのです。
後足から前足への体重移動は、動的ではいけません。静移動であること。そしてスムーズな体重移動には、踏み下ろす一歩の歩幅は、小さい方が良いのです。
歩幅を小さく踏み下ろし、踏み下ろした足のひざから下を一脚にイメージ、その脚に体重を静移動、この繰り返し。
実際の山でこのような下りの足運びを一回でも多く経験していけば、気がつけば下りの苦手意識は克服できているはずです。
登山の総合スキルを体系的に学びたい方必見!
当サイト「GoALP – 山を楽しむ人のための安心・安全登山メディア」の監修者でもあり、登山を教えることのできる者が集まった非営利集団で、山岳事故を減らすための啓発活動をしている日本登山インストラクターズ協会(2013年創立・岩崎元郎代表)が、来春より開催する6期目「JMIA登山講習会」の受講者を募集しています。あなたも、一年かけて実際に山に登りながら山岳指導者の手ほどきをうけてみませんか?