【山の対談】岩崎元郎さんに聞く、登山人生と現在の登山界の問題(後編)

山のスペシャリストによる山のスペシャリストとの対談記録「山の対談」、第一回目は岩崎元郎さん。

前半は主にその登山人生を振り返っていただきましたが、後半は現在の登山界における課題について語っていただきました。

聞き手は、元エベレスト登山ガイドの安村 淳さん。

山に登る人であれば興味の尽きない話題満載の本企画、ぜひ御覧ください。

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岩崎さん、現在の登山界の問題を語る

山岳会が衰退して、ツアー登山/ガイド登山や単独登山の時代へ

なぜ山岳会は衰退したか?

安村;現在登山人口は約1000万人と言われていますが、山岳会に属しているのはそのうちの僅か10万人位と言われています。という事は、990万人、登山人口の99%、大部分の人は山岳会に属せずツアー登山や個人で登っていると言う事になりますが、山岳会は何故衰退したのでしょうか?

岩崎;先程もお話した通り、極地法からアルパインスタイルに登山スタイルが変化したのが一因だろうと思う。

安村;その登山スタイルの変化に加え、登山目的の変化が追い打ちになったのではありませんか?昔の登山は最終的にはヒマラヤを目指した冒険・挑戦・より困難に挑むのが登山の目的でしたが、社会の高齢化と共に岩崎さんが進めた登山の大衆化により、登山の目的が観光やレジャーに変わったからではありませんか?その結果、旅行の範疇のツアー登山が盛んになり、また昔は単独登山は究極の登山でしたが、今は気楽な一人旅に変わったのだと思いますが、如何でしょうか?更に、最近ではトレランやスポーツクライミングなど、山の新しい分野が定着してきた事も山岳会の衰退に影響していると思います。

岩崎;そうです。今は山を走る人も多く、人気トレランのハセツネカップは昔我々がやっていたかもしか山行だし、日本山岳協会は日本山岳・スポーツクライミング協会に名称が変わったしね。

安村;実は昨年テレビ東京から広沢寺の岩場の取材をしたいとの依頼がありましたので、「岩登りの練習場です」と言うと、デレクターさんが「オリンピックでやっているやつですね」と言うので驚きました。オリンピックの競技クライミングと登山の岩登りとは全く別な事なのですが、新しい分野は一般に定着してきているのですね。

今日は山の新しい分野は除き、現在の登山の問題点について伺いたいと思います。

*広沢寺の岩場;厚木市七沢の岩場、40mの正面壁の他にいくつかのハイボルダーがある。

広沢寺の岩場

➀ツアー登山

安村;横浜の某ハイキングクラブのリーダーの方が「最近入会してくる人は皆無料のツアー登山のつもりで来る、おんぶにだっこだ」とぼやいていましたが、山岳会の無料ツアー化は別として、旅行業法を基に旅行として行うツアー登山はどうお考えですか?

岩崎;ツアー登山、旅行会社主催の有償の登山、商業登山はあって良いと思いますが、利用者側に問題があると思う。

山に登りたいがどこの山か具体的に浮かばない人が多く、○○旅行会社にいつどこのツアーがあればこれに行こうとか、旅行会社の提案で登る人が多いと思う。始めはこれでも良いが、ずっとこれではいつまで経ってもあなた任せで自分の山登りは出来ない。パンフレットを見るだけで考えなくて済むので、楽だけどね。

安村;確かにツアー登山は指定された場所と時間に、指定された装備を持っていけば良いだけなので楽ですね。

ツアー登山の事故で有名なのは2009年7月の北海道トムラウシ山での遭難*で、低体温症で8人死亡という夏山史上最悪と言われる遭難事故が起きましたが、登山の指導者としてこの遭難をいかがお考えですか?この事故について、何かの本に岩崎さんがボロクソに書いていたのを読みましたよ。

*トムラウシ山遭難事故;2009年7月16日、Aトラベル社主催の18名パーティが悪天候のために遭難し、低体温症で8名が死亡した。

岩崎;あれは文芸春秋ですよ。そんなにボロクソには書かなかったと思いますが・・・

あの遭難では一般の人やマスコミは山を一方的に危険なものにしていますが、旭岳からトムラウシ山への縦走なんて山に登る人なら誰でも登れますよね。報道では一回も歩いていない人がリーダーになっているとか色々と非難をしているが、ガイドブックはあるし、立派な登山道はあるし、避難小屋もある。トムラウシ山は特に難しい山でも危険な山でもありません。

トムラウシ山
引用:トラマス山旅

ただ、あの事故で分からないのは雨と風の悪天候の中で1時間も1時間半も停滞していたので、その結果体温が奪われて低体温症になったと聞いたが、あれが分からないね。

安村;あれですね。普段は小川なのが雨で急流というか激流になり、メンバーが18人もいたので、そこの渡渉に1時間も2時間もかかったからのようです。

このパーティは人数が多く参加者の体力もバラバラで、歩くペースは一番体力のない人に合わせるので渡渉以外でも全ての面で時間が掛かり過ぎ、悪天候の中でこの全てが遅過ぎた事が遭難の大きな原因になりましたね。遭難パーティから30分遅れで同じ避難小屋を出発して13時間掛かりましたが無事下山した山岳会の6人パーティは、「遭難パーティは遅すぎた」と証言しています。

ただ驚く事は、渡渉の時に38歳のガイドがお客さんをサポート中に急流に転倒して全身ずぶ濡れになりましたが、彼は翌日救助されました。若いと言うか、体力があるという事は凄い事です。

岩崎;何人かは自力で下山していますね。

安村;はい。18~23時間かけて5人の方が自力で下山していますし、5人の方が翌日救助されました。

事故調査委員会は「ガイドの判断ミスによる気象遭難」と結論付けていますが、

事故調査をした山本先生*は「事故パーティは体力を含め、すべての面で準備不足だった」と言っています。山ではいざとなると体力の有無が生死を分ける、「ツアー登山でも体力が大切」という良い教訓だったと思います。

*山本正嘉氏;鹿屋体育大学教授、登山家、日本の登山の運動生理学の第1人者

岩崎;確か、この遭難は業務上過失致死傷で北海道警察が捜査していたと思いますが、どうなったのですか?

安村;2017年に社長とガイドが業務上過失で送検されましたが、2018年3月に釧路地検が「安全管理は同業他社と同等、ガイドは業務上過失までとは言えない」と、社長もガイドも不起訴になりました。(東京新聞、2018年3月18日付より)

岩崎;会社の安全管理もガイドも問題がないという事は、どこのツアー登山でも同じ事が起きる可能性があると言う事だから、おんぶにだっこで利用するのではなく、利用者側も良く考えて体力をつけてから利用する事が大切だね。

安村;その通りです。この会社はその後2012年11月に中国・万里の長城トレッキングで50年に一度と言う大雪の為に遭難、お客さん4人のうち3人が死亡して廃業しています。

この時はツアー登山の最終日で、76歳の方がバテて歩けなくなり、夕方から降り始めた大雪の中のビバークとなり、翌朝救出されましたが、お客さん4人の中で一番若い59歳の女性と25歳の男性添乗員が生還しています。

ツアー登山は旅行とは言え温泉グルメ旅行とは違い、二本の足で歩く山地旅行だから、いざという時には体力が大切で、体力の有無が生死を分けるという事だと思います。

岩崎;今はツアー会社の安全管理やガイドなどはトムラウシ遭難当時より改善されていると思うが、ただ便利だから楽だからではなく、利用者はどういう風に利用するか?体力はどの位必要か等良く考えて、充分準備をしてから利用しないといけないね。

②ガイド登山

安村;我々がガイドを始めた30数年前は「山のガイドをしています」言うと、「そんな仕事があるのか?」と言われましたが、今は職業として定着をしてガイド登山をする人も多くなりましたが、ガイド登山は100%安全なのでしょうか?またどういう風に利用すれば良いのでしょうか?

今年の4月8日、南伊豆・吉田海岸でガイド登山中に3人が滑落をして溺死したと思われる事故がありましたが、私の知人のガイドで、それもとても優秀なガイドでした。

岩崎;何があったのだろうか?

安村;事故があった所を私は登った事がありませんが、知り合いのガイドに聞きましたら「特に落ちる様な所はありませんよ」と言っていました。ガイドが落ちる様な場所ではないようですので、多分コンテ*で歩いていてお客さんが転んで滑落、篠原さんが巻き込まれたと考えるしかないかなと思います。

*コンテ;ロープをつないで同時に歩く登り方。

岩崎;ガイド登山は自分の足りない点をガイドに補ってもらって登るという登山だから、

ツアー登山と同じく利用者側の問題が大きいのだろうね。

安村;そうなのです。元ガイドとしては、山には体力・技術・経験が必要ですが、経験は100%、技術は50%ガイドがカバーできますが、体力は100%自前でやって頂かないといけないので、来る前には技術と体力を充分トレーニングしてから来て欲しいですね。

コンテで歩いている時に不意に転ばれると、どんなガイドでも止められない時があります。私もコンテで西穂独標から西穂に向かう時に転ばれて、転ぶかもしれないと身構えていましたのでロープで止まりましたが、不意に転ばれると危なかったですよ。言いませんでしたが、こんな所で転ばないで下さい、落ちないで下さいと言いたい時が何回かありました。

大きな事故がなかったのは運が良かっただけです。

西穂高岳・独標付近の稜線
引用:登山女子のぽんこつ日記 より

岩崎;あまり多くはありませんが、私もありましたよ。かなり高齢のご婦人が突然バタッと倒れて驚いた事がありました。その時は膝をすりむいた位で済んだから良かったですが、転んだ場所や打ち所が悪いと大変な事になりますからね。私も大きな事故がなかったのは運が良かったからです。

一般的にガイド登山は旅行の範疇であるツアー登山よりリスクが高い登山なので、利用者はツアー登山に参加する時以上に「体力と技術をトレーニングしてから利用する」事が大切ですね。

安村;それから、HPを見るだけではガイドがどういう人か分かりませんので、ガイドを選ぶ時にはどういう資格を持っているのか?を確認した方が良いと思います。

日本には法律によるガイドの資格はありませんので、自称ガイド、つまり無資格でもガイドはやれるのですが、無資格の方は玉石混交で良いガイドさんもいますが、とんでもない人もいますので、資格を持っているのか否かを確認した方が宜しいです。

トムラウシの遭難の時は2人のガイドは無資格で、1人は資格停止中だったのですが、無資格ガイドは安く使えますのでツアー会社にはメリットがあったのですね。今は違いますが・・・

ガイド資格は(公社)日本山岳ガイド協会*他いくつかの民間団体が資格を認定していますし、北海道や長野県等条例による地方限定の資格もあります。民間資格でも資格があれば3年に一度は主催団体から更新研修でチェックをされ、一定レベルの技量がありますので安心できます。

*(公益社団法人)日本山岳ガイド協会;日本を代表して国際山岳ガイド連盟に加盟してい るガイド団体。

③単独登山

安村;最近単独で登る人が増えましたが同時に単独登山者の遭難も増え、私の友人の元警視庁青梅警察署山岳救助隊副隊長の金邦夫さんは「単独登山は寡黙で孤独なおじさんが危ない」と言っていますし、登山保険のjRO*は「単独登山は遭難のレッドカーペット」と言っていますが、単独で登る時にはどういう注意が必要ですか?

*jRO;日本山岳救助機構合同会社、山岳保険の会社、2021年1月現在全国で95,000人の会員がいる。

岩崎;建前は「単独登山は止めましょう」ですが、難しいですね。

安村;コロナ前の2019年のデータですが、jRO会員の事故は48件で、うち単独の事故は20件(42%)、その20件20人の単独遭難者のうち8人が死亡していますので、単独遭難者の死亡率は40%です。単独の遭難は死亡率が高く、iROは「単独で登山口に立ったら遭難のレッドカーペットの端に立ったと自覚しましょう」と言っています。

岩崎;単独は一人だから、何かあったらどうしようもなくなるので、どうしても死亡率は高くなるね。日本の山は登山道は整備されているし、指導標はあるし、ガイドブックやネットで山の情報は過剰なくらいあり、基本的には誰でも登れる山だから、1人でふらっと行けるからね。

安村;金さんが、奥さんが「お父さんが奥多摩に行くと言って帰って来ないので捜してくれ」と言ってきたが、奥多摩だって広いんだ。どこを捜せば良いのだ?と困っていた事がありましたが、こういう人は困りますね。

岩崎;いや、丹沢に行くと言って、ふらっと奥多摩に行ったりする人は結構いるのではないかな?まず「計画書」を作って家に置いたり、登山口等に出す事は大切だね。今はスマホでも出せるし。

それから遭難するとお金がかかるから、「登山保険」に入る事もね。

安村;「登山の体力」をつける、「山の勉強」をするなども単独の場合には大切ですね。

今の遭難は滑った転んだ道に迷った等ですが、いずれも下山中が多く、下山で滑ったり転んだりしないように強い脚力、下山で道に迷った時には分かるところまで登り返すのが原則ですが、疲れて登り返しが出来ずそのまま下って遭難したという事例も多くありますので、単独の場合はツアー登山に参加する時以上に自分の身を守る体力をつける事が大切だと思います。雲取山で単独で行方不明になった女性が、動かず体力を温存して1週間後に無事発見救助されたと言う事例もありますので、遭難したら体力と体力の温存が大切です。

それから、今は携帯の位置情報とか、ココヘリという「会員制捜索サービス」もありますので、こういう今風の対策は単独には有効だと思います。

*ココヘリ;電波発信機の電波を捜索ヘリから探知する会員制サービス

岩崎;こういう話を聞く人は大丈夫だと思いますよ。単独登山は誰も守ってくれませんので、自分を守る危機管理をする事が大切でしょう。

安村;私はガイド時代のガイド中に2回救助をしましたが、2回とも単独の人でした。1回目は11月の富士山で雪の8合目の上で倒れていたので登山を止めて担いで下ろしました。2回目は7月の北岳の大雪渓で下山中に滑落した人を見つけて白根御池小屋へ運びました。11月の雪の富士山にはほとんど誰も登りませんので、私が登っていなかったらアウトだったと思いますが、7月の大雪渓は人が通るところですので多分翌日には誰かに発見されたと思います。単独の場合は「あまり人の行かない山や人の通らない所に行くのは、止めておいた方が良い」ですね。

岩崎;今は個人の時代だし、単独登山は人を気にしなくて自由にやれますので、これからも増えると思いますが、山は自然が相手で自分の都合ではどうにもならない事があり、思いがけない事も起こります。

「単独登山はどんなトラブルにでも対応をして自分で処理ができるように、体力をつけて、山の技術を学び、最悪の事態の準備をして登って下さい」と言ったところでしょうか。

ウィズコロナ時代の登山

安村;2000年の2月頃から始まったコロナの感染拡大で登山が制約され、いまだコロナの終息が見えませんが、このウイズコロナ時代の山登りについてお聞かせください。

岩崎;60年山に登っているけど、感染症で登山を自粛するなんて初めてですね。コロナの感染状況はどうなっているのかな?

安村;今年の1月から始まったオミクロン株の第6波は高止まりしていますね。

日本では政府が「空気感染はしない」として、感染は飛沫感染と接触感染の二つで、対策としてアクリル板の設置とか手指のアルコール消毒等を奨励していましたが、どうやら多少ピントが外れていたようで、飛沫感染は主な感染ルートではなく、手指からの接触感染などはほとんど無い様です。

国立感染症研究所は今年の3月からコロッと変わって「空気感染が主な感染ルート」と言い出して、今は「換気とマスクが大切」と言っています。(2022年4月27日付 東京新聞)

岩崎;それなら山は換気が良い場所の筆頭だから、安全ですね。

しかし、地方の人は都会からの人は来て欲しくないのではないかな?

安村;確かに都会から人が来ると地方の人/地元の人は複雑かもしれませんね。

山小屋や旅館、飲食店やお土産屋さん等は人が来て欲しいが、一般住民の方、人が来ても直接的にメリットの無い人は来て欲しくないと思うでしょう。しかし、コロナももう2年になりワクチンや治療薬もでき、感染対策も分かってきましたので、そろそろ感染対策をして観光や旅行や登山などで地方の経済を廻した方が良いのではないかと思います。

山にはコロナウィルスはいませんし、換気は良いし、コロナは人から人に感染しますので山で他に人がいなければ感染リスクはゼロで、人がいてもソーシャルディスタンス(2m)が取れれば感染リスクは低く、ソーシャルディスタンスが取れない時や近くで話をする時にはマスクをすれば、山での感染リスクは小さいと思います。

岩崎;という事は山は安全だが、人との接触がある登山口までの往復と山小屋が問題だと言う事ですね。

安村;そうですね。往復の交通は人と接触をしない車が良いと思いますが、「公共交通機関を使う場合はマスクをしてなるべく空いた時間に移動する」とか、「山小屋では濃厚接触*に注意をして、ソーシャルディスタンスが取れない時や人と話す時はマスクをすれば良い」と思います。手指からの接触感染はほとんど無いそうですので、手についたウィルスなどは気にしなくて良いと思います。

また換気は山小屋でも留意しており、私の知り合いのガイドは「あんなに換気をしなくても良いのに。寒くてしょうがなかったですよ」と言っていました。

*濃厚接触;マスクをしないで、1m以内で、15分以上の会話などの接触。

岩崎;それでは往復の交通と山小屋の宿泊等に注意をすれば、登山は安全と言って良いのかな?

安村;私はそう思います。

岩崎;このコロナの2年間、安村さんはどういう登山をしていましたか?

安村;初めはコロナがどんな感染症か分かりませんでしたし、登山関係団体も登山自粛を呼び掛けていましたので半年位は山を自粛していました。自粛後八ヶ岳に行きましたら体力の衰えに愕然として、その後1年間家内と毎週日帰りや半日山行で近くの人の少ない山を選んで歩き、週1回は人のいない岩場でトレーニングを続けましたら体力が回復してきて、今年の冬は家内と二人で西上州のアイスクライミングを沢山楽しみました。

感染リスクを少なくする為に車移動で日帰りですので、あまり地方の経済には寄与していませんが、その都度美味しいメンチカツや和菓子など地元の名物を買い、地元のコンビニも沢山利用させてもらいました。

2022年2月神津牧場でのアイスクライミング

岩崎;山は安全とは言え、休日の高尾山の様に人の多い山はなるべく止めておいた方が良いだろうね。今は大勢で登山をすると言う時代ではないし、このウイズコロナ時代は「少人数で、人の少ない山を、ノーガードにならないように感染対策を充分にやって登って下さい」と言う所かな。

安村;そうですね。山で時々マスクなし至近距離で話をしている人がいますが、山は安全とは言え我々高齢者はノーガードの人にはまだ近寄らない方が良いですね。

若い人は日頃歩かなくても大丈夫ですが、年を取ると1ヵ月2ヵ月登らないとすぐ山を歩けなくなります。今は人生百年の時代ですし、前出の山本先生はその著書で「登山が生涯スポーツとして最良のスポーツ」と述べていますので、「コロナに負けず、感染対策をして山に登る事をお勧めします。生涯登山者で頑張りましょう」でまとめましょう。

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GoALPの読者の皆さんへのアドバイス

安村;最後にGoALPのフォロワーの皆さんに、登山を安全に楽しむ為のアドバイスをお願いします。

岩崎;日本の山は二本の足で歩けば登れる山ですが、自然が相手ですので雨も雪も降り風も吹き、山では思いがけない事が起こります。そのために登山の基本的な技術を学び体力をつけて下さい。それが必ず安全登山に結びつきます。

山は不要不急のものではありませんが、山は人生を豊かにしてくれます。皆さん方が安全で充実した登山人生を楽しまれる事を願っています。

安村;今日は長い時間色々なお話をして頂き、大変有難うございました。


対談;2022年4月28日10:00~12:30、岩崎元郎事務所にて
岩崎・安村ともワクチン3回接種済、対談中はマスクをして2m距離をとり、写真を撮る時のみマスクを外しました。

登山の総合スキルを体系的に学びたい方必見!

当サイト「GoALP – 山を楽しむ人のための安心・安全登山メディア」の監修者でもあり、登山を教えることのできる者が集まった非営利集団で、山岳事故を減らすための啓発活動をしている日本登山インストラクターズ協会(2013年創立・岩崎元郎代表)が、来春より開催する6期目「JMIA登山講習会」の受講者を募集しています。あなたも、一年かけて実際に山に登りながら山岳指導者の手ほどきをうけてみませんか?


沢、岩、雪山などの山仲間を作りたい方

四季を問わず縦走・岩登り・沢登りを始め、読図にこだわった藪山や雪山縦走、あるいはトレイルラン・アイスクライミング・山スキーに至るまで様々な趣向をもった山の仲間と、登山の基本技術項目15単位を入会者ご自身のペースで、およそ3年以内をめどに受講いただける登山講習です。



電子書籍:初級中級・登山の教科書を進呈

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