山で熊に会ってしまったらどうすべきでしょうか。最近もトレイルランナーが襲われたというニュースをネットでみました。親子の熊だったようで、熊鈴を鳴らしたら逆に襲ってきたそうです。もし自分が出くわしてしまったら冷静な対処ができるか不安です。やってはいけない行動もあれば教えてください。
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栗山 祐哉
日本にはヒグマとツキノワグマがいますが、ヒグマは北海道にしかいません。
ツキノワグマはとても臆病な動物で、本来向こうから人間を襲いに来ることはまずありません。子連れであったり、出会い頭でばったりと出会ってしまったような場合、攻撃的になります。
まず大切な事は出会わないこと。
熊鈴は出会ってから鳴らすものではなく、予め鳴らしながら歩くものです。
またおしゃべりをしたり、ラジオを鳴らすなども有効だと言われています。
勝手に向こうから逃げていってくれます。
万が一出会ってしまった場合には、慌てないことが大切です。
そもそも我々人間は、彼らの食事のメニューの中には入っていません。
食料として人間を狩りすることはなく、いつも戦う利用は守るため。
絶対に刺激してはいけません!
熊鈴を鳴らして襲われたのも納得の話で、本来はその音に驚いて逃げていく道具なのに、目の前に出くわしてから驚かせてしまっては、完全に逆効果です。
慌てず、ゆっくりと後ずさりする様に立ち去るのが一番です。
こちらに興味を示してしまったような場合には、そっとバックパックを置いて身代わりにします。
とにかく刺激せず、そっと穏やかに離れましょう。
彼らのテリトリーにお邪魔しているのは人間の方です。
お互いのためにも、しっかりと存在をアピールしながら行動しましょう!
大津 洋介
私は今までラッキーなことに?熊に5回遭遇しました。危なかった2回のことを例にお話しします。
①食料を取られたこと
JMIA岩崎理事長と赤沢山南壁~槍ヶ岳東綾を目指したときGWの槍沢ババ平にテントを張りました。熊が出るかもと食料をすべて袋に入れ外のダケカンバの木にかけて寝ました。早朝テントの外に出ると雪の上には大きな熊野足跡がベタベタ、テントの周りをぐるぐる回ったようです。もちろん食料袋は持ち去られていました。私たちは熊の足跡を追いかけ残ったラーメンなどを拾い集め何とか赤沢山だけは登りました。
もし、食料がテントの中に残っていたらテントに侵入されたかもしれません。熊が出没しそうなときはすべてテントから出しておいた方が良いでしょう。北海道などテンバにフードボックスがあれば必ずすべての食料をボックスに入れましょう。熊の嗅覚はかなり良く、少しでも食料が残っていれば嗅ぎつけるそうです。
この時熊の残りの食料を拾い集めたのは間違いです。一度、熊が取ったものはもう彼らのもの、それを取り返すとまた取り返しに来ます。北海道で大学生のパーティーがやられた例があります。
ヒグマは吉村昭氏の「熊嵐」でも有名なように人を食べることもあります。またツキノワグマも昨年人が食べられた例がありました。熊は食べるために必死です。
②はち合わせしたこと
太郎平小屋から折立に降りた秋の朝、1人で歩いているとき熊とはち合わせしました。5mぐらいの至近距離、子熊2頭を連れた母熊が立ち上がり牙をむいていました。さすがにもうダメかと思いましたが、その場に立ち止まり(体か動かなかったのが事実かも)熊の目を見ました。じわじわと5mぐらい後ずさりして、横のハイマツの茂みに入り熊が見えなくなったところで登山道を駆け上り逃げ事なきを得ました(心臓はドキドキでしたが)。
はち合わせは熊に襲われる最も多い例だと思います。この時は立ち止まって動かなかったのが良かったのでしょう。
はち合わせを防ぐにはこちらの存在を知らせることが必要でしょう。熊鈴も一つかもしれませんが、私は1日中あの音が鳴っていると気が狂いそうになるので、熊が出そうなときは大きな声を出したり、ホイッスルを吹いています。特に沢筋などでは鈴や声が沢音に消されてしまうのでホイッスルが良いのではないかと思います。事実かどうかわかりませんが最近は熊鈴に熊がなれてきてあまり効果がないと聞くことがあります。
山小屋では熊は出ません。熊鈴は山小屋に入る前には鳴らないようにしましょう。
写真は北海道天人峡付近でであったヒグマの子供? 車の中なので良かったです。
添付写真1
わかりました。まずは出会わないようにすることが大切ですね。ばったり出くわしてしまった場合、落ち着いて行動できるかどうかがカギですね・・・
大津さん
大変リアリティのあるお話ありがとうございます。とても参考になります。食料を狙ってくることもあるのですね。
鉢合わせのお話も読むだけでドキドキしてしまいました。やはり出会わないように対策することが重要なのですね。
ためになるお話ありがとうございました。皆にシェアしたいと思います。
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