スキー滑走にかぎらずとも、雪山登山においても同様のリスクがあると思うのですが、対処の方法はあるでしょうか。それとも、基本的にその山域でのそれまでの降雪状況を把握せずに山に入るべきではないでしょうか。もしくは、地元でなくとも降雪状況を把握すべはあるでしょうか。
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松本 善行
積雪の不安定性評価には、大きく分けて、現場での事象・積雪状況・気象データがあります。
実際現場に行ったらすぐ横の斜面が雪崩れていたとしたら、最も危険なサインです。近くの斜面を滑る際、そこの斜面が先ほどの斜面と同じ標高・方角・風向等ならその斜面を避けるという判断が出来ます。
また、現在いる場所が雪崩地形であるか否かの判断は、幾度か雪山に足を運ばれているのであれば、ある程度の判断は出来るかと思います。そして雪崩地形でない場所を選び、そこでの積雪状況を得ること(各種テスト)は、一つの判断材料となり、それが複数個所になれば有用なデータとなり得ます。
気象は行動中の気象状況の他にも、現地に赴く前のデータが重要で、極端な話し、1ヶ月以上前の降雪が現在の積雪の不安定性に関わってくることもしばしばあります。特に地元ガイドは古い気象データを持っていることが多いので、その点は強みであると言えます。
では、地元ではない我々が、積雪の不安定性を評価するにはどうすればよいかですが、要は上記のような3つのカテゴリーのそれぞれについて、データの数が多ければ多いほど、判断しやすいことになりますので、その情報収集に努めることが重要と言えるでしょう。
気象データについては、日本気象協会などが提供するサービスを利用し、少なくとも山行の1週間前から積雪状況や風についてチェックしておくとよいでしょう。
現地に行かない限りわからないデータは、日本雪崩ネットワークが提供している、「雪の掲示板」を参考にするのもよいでしょう。ここでは各種講習会も開いていますので、もし雪崩に対するスキルを上げたいのであれば、受講はお奨めです。
http://www.nadare.jp/
いずれにしましても、地元ガイドほど判断材料がないとしても、集めた情報から一つの結論が見いだせるとしたら決断は出来ます。雪崩リスクが少し高そうだと判断出来れば、予定のコースをもう少し積雪が安定していそうなコースに変更するとか、とても危険だと判断出来れば計画自体を中止する、もしくはエリアを変更するという判断が下せます。ですから判断が出来ない、或は全く状況を把握していないうちは、その山域には入る資格はないと考えた方が無難です。そして、その情報収集の仕方や情報の見方、判断する能力が磨かれていけばいくほど、いわゆるグレイゾーン(各種雪崩条件がどの程度特異的に働いたかでどちらにでも転ぶ微妙な域)に対する判断に正確性が加わってゆきます。
せっかく人に連れて行ってもらうことから、ご自分で計画し実施したいと思われているのですから、是非ともスキルアップを図って頂きたいと思います。
雪崩についてもっと勉強し、情報収集と経験を積みたいと思います。ガイドでなくてもやりようはあるんだということがわかり、非常にモチベーションが高まりました。勉強してみます。ありがとうございました!
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当サイト「GoALP – 山を楽しむ人のための安心・安全登山メディア」の監修者でもあり、登山を教えることのできる者が集まった非営利集団で、山岳事故を減らすための啓発活動をしている日本登山インストラクターズ協会(2013年創立・岩崎元郎代表)が、来春より開催する6期目「JMIA登山講習会」の受講者を募集しています。あなたも、一年かけて実際に山に登りながら山岳指導者の手ほどきをうけてみませんか?
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