初心者の友人と山を登るときに気をつけたいこと – 山の相談小屋

アクティビティ:一般登山, カテゴリ:山での行動方法・知識
相談者:MJK (男性/30代)
今度、登山に友人たちを連れて行くことになりました。その中では自分が一番登山経験があり、友人たちはほぼ初心者です。必然的にその中では自分がリーダー的な役割を担うことになるのですが、心構えやパーティの安全のためにケアすべきことがあれば教えてください。普段は同じくらいの経験者同士または自分よりも登山経験が多い人と登ることが多かったので、気になりました。

私の登山経験は5年程度、年に5〜6回くらいのペースで、低山からアルプスまで、日帰りから縦走まで経験しています。

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JMIA認定インストラクター
栗山 祐哉
Kuri Adventures 代表の栗山です。

登山におけるリーダーの責任は重く、安全管理に関する法的責任を負います。
リーダーが担うべき安全管理は多岐にわたり、十分な知識、経験、技術を備えている必要があります。
このレベルは高ければ高いほど良いのですが、全てに対して完璧を求めるといつまで経ってもリーダー経験を積めません。リーダーを経験することは、結果として自分自身を成長させる大きなチャンスでもあります。

まず第一に考えておいて頂きたいことは、”初心者は自分が考えているよりも遥かに能力が低い可能性がある”ことです。
運動能力が高い方などはまったくの未経験者でも危なげなく余裕を持って登山を行える方もたくさんいらっしゃいます。しかし中には、まったく想像しないところで転滑落する方もいらっしゃいます。
リーダー自身が十分なロープワーク技術や確保技術を身に着けていないうちは、転滑落の危険がある急斜面、岩場、鎖場などが無い穏やかな山を選択しましょう。
また初心者連れの場合、体力、技術面においても、リーダー自身が十分余裕をもってこなせる範囲に留める必要があります。

初心者連れでの登山で特に注意が必要な点は、装備とペースです。
登山経験者としてはあたりまえの常識として把握しているもちものも、初心者の方にとっては何故それが必要なのか実体験としての経験を有しておらず、装備不十分になる事が多いものです。
雨具、防寒着、ヘッドライトなど、絶対に欠かしてはならない装備を確実にもっているか山行前にしっかりと確認しましょう。また衣服に関しても、事前に十分なレクチャーが必要となります。

歩行ペースに関しても十分な注意が必要です。
まったく息が乱れないくらいのペースを保ち、初心者の方でもまったく苦にならない登山を心がけてあげましょう。
決して初心者の方に良いところを見せようとペースを上げてはいけません。
息が乱れるペースを作り上げてしまう方は、リーダーとして失格です。

これらの事に注意し、比較的体力、技術的に簡単な山から始めるのが良いと思います。
ご参考にして頂ければ幸いです。

解決相談者:MJKさん
丁寧にご回答ありがとうございました。
確かに自分が余裕を持てる範囲での登山でないと何かあったときに危ないですね。
装備なども確認を怠らないようにします。

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