先日、一緒に行った友人とアルパインヌンチャクに関して議論がありました。
私は、アルパインヌンチャクをダイニーマスリングを使って組んでいます。
(6mmダイニーマスリング60cm/ベアール + カラビナ/オズ・ブラックダイアモンド)
操作性を考慮してロープ側カラビナをインクノットで固定して使っています。
ここの強度低下で議論になりました。
友人は「インクノットによるダイニーマの強度低下が大きいので、固定する場合は他の方法をとるべき」と言います。
私は「インクノットによる強度低下は考慮しているが、ダイニーマが破断するより先に支点が崩壊する」と考えています。
友人とは付き合いが長く、それなりの高難易度までパートナーとして言っているため信頼しています。
この問題はどう考えるべきでしょうか?
ご意見をお聞かせください。
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松本 善行
理論上の話になりますが、ダイニーマスリングの強度を22KNとした場合、クローブヒッチ(インクノット)による強度低下が約マイナス35%と聞いていますので、その限界値は約14KN(約2/3)となります。その限界値ギリギリで考えた場合、最終ランナーに与える衝撃値はプーリー現象により約1,7倍となり、その数値は約24KNとなりますので、ボルト強度が24KN未満(本チャンでは実質24KN以上は考えにくいでしょう)の場合、崩壊する可能性は高いでしょうし、カラビナ自体の強度もほぼ限界値なので破断するかもしれません。
しかしながらそれ以前の話で、人が生存できる限界値は12KNとされていますので、クローブヒッチによる強度低下があったとしても格別問題視する必要はないように思います(勿論、強度低下を起こすことを知っていることは重要です)。それよりも衝撃力がかからない工夫をする方がよいでしょう。いわゆるランナウト対策と制動確保などです。
余談ですが、アルパインクイックドローをたたんだ状態で使用すると3重になりますので、強度もおよそ3倍近いでしょうか。
ご意見の中で、人が耐えられないことを忘れていました。
今後もよろしくお願いします。
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