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栗山 祐哉
私も20年以上の登山歴の中で唯一 ” あ、これ死んだかも…。” って思ったのが落雷です。
稜線から少し外れたところで良かったのですが、すぐ近くの稜線にはバンバン落雷してました…。
雪崩、落石など山の危険はいろいろありますが、その中でも個人的には落雷が本当に怖いと思っています。
骨の髄まで染み込むほどのトラウマです。
さて雷対策ですが、まず大切なことは ” 雷に遭遇しないこと ” です。
雷は春から秋にかけて、特に夏場の夕方に多く発生します。
寒冷前線が天気図に現れた時や、天気予報で曇りや雨の可能性がある時は要注意です。
雨が降りそうな空模様であったり、積乱雲がこちらに向かって来ている時、夏なのに冬のように空気が済んでいたり、湿っぽい冷たい空気が流れた時も危険サインです。
この様なサインが現れた時はすぐにエスケープルートを考え、稜線上から外れたほうが良いでしょう。
また夏場の登山は早出、早上がりで、14時頃までには稜線から降りるイメージで行動すべきです。
少しでも天候に不安を感じる時は、山行計画の見直しも視野に入れましょう。
もし山の中で雷が鳴り始めたら要注意です!
ゴロゴロと聞こえるエリアはもう雷の射程距離で、いつ頭上に落ちてきてもおかしくはありません。
特に近くで雷の音が聞こえる場合、大変危険な状態にあります。
そのような場合、まず尾根や稜線から降り、斜面の途中で低くなって雷が通り過ぎるのを待ちましょう。
もし岩稜帯など、横に逃げられないような場合には、ハイマツなどの中に逃げ込むことでリスクを低減できます。
この時、メンバーをロープで繋ぎ合っていると、誰かに落雷した時に全員感電します。メンバーはお互いに離れて待機しましょう。
開けた河原や草原、湿原なども危険です。これらの場所では隠れる場所が無いことも多いので、可能な限り体を低くして過ごしましょう。トレッキングポールやピッケルなどの尖ったものは体から遠く離しておきましょう。
金属に限らず、木やカーボンであっても同様に落雷しやすく鳴ります。
近くに建物がある場合、建物に入って壁から離れましょう。雷は建物の表面を通電するので、内部には入り込みません。念のため、建物の中であってもしゃがんでおくとより安全です。
但し東屋やテントは落雷を防げないようです。むしろリスクが高くなりますので、テント内や東屋の下にいる時に雷が鳴り始めたら、直ちにそこから離れましょう。
他にも送電線や鉄塔の近くは安全です。
送電線直下10m以内、鉄塔の柱より2m以上離れた場所でしゃがんでやり過ごしましょう。
そしてもう一つ、しっかりと覚えておいて頂きたい事に、落雷による死亡率は世界平均で30%である事です。
日本ではその死亡率が70%まで高まりますが、これはレジャー中の落雷事故が多いことによると考えられています。
落雷を受けたことで心停止する事はありますが、すぐに心肺蘇生することで助かる例も多くあります。
心肺蘇生技術を身に着け、メンバー同士が離れて避難することでその危険を最小限に留めることができます。
それ以外にも、現在の山岳遭難死亡事故の第二位が高齢者の突然死でもあり、心肺蘇生技術はこれまで以上に多くの登山者に求められます。
是非合わせて身に付けておきましょう!
以上、参考にして頂ければ幸いです^_^
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