リスクとして大きいのはやはり雪崩に巻き込まれることだと思いますが、雪崩はどういった場合に起きる(起きやすい)のでしょうか。
なるべく巻き込まれないようにするために気をつけるべきことなどご教示いただけないでしょうか。
ざっくりとした質問ですみませんが、他の人にも役に立つかなと思いまして質問させていただきます。
よろしくお願いいたします。
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岩崎 元郎
いつ雪崩れても不思議ではないのですが、雪崩の発生が少ない山域やコースはありますから、これから雪山登山を始めようという初心者なら、そんな山域、コースから雪山登山を始められたらいかがでしょうか。東京周辺なら奥多摩・奥武蔵・丹沢あたり、降雪のニュースを耳にしたら、その週末にトライすれば貴重な雪山体験ができるはずです。奥多摩や丹沢よりもう少し本格的っぽい雪山体験がしたいというむきには、北八ヶ岳をお勧めします。
丹沢だって、捨てたもんじゃありませんよ。ちょっと昔の話になりますが横浜に住んでいた頃、我が家の庭に10cmくらいの降雪があった日がありました。翌日筆者は丹沢表尾根を登ってみようと思い立ち、蓑毛から柏木林道をヤビツ峠へと登りました。積雪はありましたが、トレースはあるので登高はスムーズでした。峠からの林道も雪に埋まっています。試しにトレースをはずれてみると、ひざまで潜ります。丹沢にしては大雪です。富士見橋から表尾根コースに入り二ノ塔まで登ると、数人の登山者がたむろっていました。トレースはここまで、三ノ塔にむかうトレースはありません。この先、ひざ上のラッセルを続けて明るいうちに下山できる見込みはありません。三ノ塔にむかう者は誰一人おらず、筆者を含め全員が二ノ塔でUターンしました。貴重な体験でした。
雪の丹沢は、トレースのあったときの表尾根、主脈縦走は2回、主稜縦走、水無川本谷もトレースしたことがあります。北八ヶ岳の北横岳と天狗岳はそれぞれ10回以上は登っています。雪の谷川岳や北アルプスにチャレンジしたいと思ったら、安全度の高い山域で10回以上は雪山体験を経験しておくことが必要です。それ以前にピッケルやアイゼンを使いこなせるように、雪上技術訓練を繰り返し実施しておくこと。
直接的に気をつけることとしては、「気象状況」に注意すること、です。当たり前の話ですが、大量の積雪があったら雪崩の危険大です。温かい日、積雪の表面が解け、次に寒気が入って表面が凍る。そんなところに新雪が積もり、天気がよくなってあたたかな太陽光線を受けると雪崩の危険大。
一つ一つの事例を挙げていくとキリがありません。雪崩を避けることにはなりませんが、雪山を志すなら「雪崩に遭遇するかもしれない」、という覚悟を決めることが肝要かと思います。
いつでも雪崩に遭遇するかもしれないと認識して雪山を志したいと思います。ありがとうございました。
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当サイト「GoALP – 山を楽しむ人のための安心・安全登山メディア」の監修者でもあり、登山を教えることのできる者が集まった非営利集団で、山岳事故を減らすための啓発活動をしている日本登山インストラクターズ協会(2013年創立・岩崎元郎代表)が、来春より開催する6期目「JMIA登山講習会」の受講者を募集しています。あなたも、一年かけて実際に山に登りながら山岳指導者の手ほどきをうけてみませんか?
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