現在、日本の登山人口は700万人とも1,000万人とも言われていますが、登山の手段としてのクライミング(アルパインクライミング)の人口はトップクラスの専門的に登っている人は200人位と言われています。
専門的とは言えないまでもアルパインを登っている人が仮にその10倍いると仮定しても全体で2,200人位と、雷鳥の生息数が約2,000羽と言われていますので、アルパインクライマーは雷鳥と同じ山の絶滅危惧種と言えます。
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「より高くより難しい登山を目指す」アルピニズムを具現化する手段のアルパインクライミングは、ジムや外岩でフリークライミングやボルダリングをする事とは似て非なもので、全く違います。
しかし、現在のクライミングはフリークライミングやボルダリング等スポーツとしてのクライミングが主流ですので、登山の手段としてのアルパインクライミングは研究も練習もする場が無いのが現状です。
この様な現状を鑑み、自立した登山者でアルパインクライミングを志向する方の為に、次の通りJMIA安心安全登山公開講座にアルパインクライミングの研究と練習をする場を作りますので、ご興味のある方のご参加をお待ちしています。
実施要項
目的
色々なアルパインクライミング技術の研究と練習を通して、「安全なアルパインクライミング技術の修得」を目的とします。
対象者
自立した登山者でアルパインクライミングを志向する方
*JMIA登山講習会修了者程度のスキルを持つ方、または確保や下降、安全管理など岩登りや冬山等を含む一般登山のスキルを持つ方を対象とします。登山経験がなくジムや外岩でのクライミング経験のみの方は対象外とさせていただいています。
概要
- 実施期間
- 2022年8月〜2023年5月(毎月1回開催、全10回)
- お申込み
- 各回ごとに申し込み可能です
- 募集人数
- 各回5名
- 費用
- 各回2,000円
- 主催
- JMIA安心安全登山公開講座
各回のテーマと日程、開催場所
各回とも、初歩的なアルパインクライミングルートの登攀を想定しています。
なお、実施日が雨の場合は予備日に実施し、予備日が雨の場合は中止と致します。
第1回
- 開催日
- 2022年08月21日(日)/予備日8月28日(日)
- テーマ
- アルパインクライミングとは?装備と登り方と危機管理
- 狙い
- アルパインクライミングの基礎技術研究と練習、谷川岳一の倉沢南稜/中央稜等無雪期の人工登攀の無いルートなどを想定
- 場所
- 広沢寺の岩場
第2回
- 開催日
- 2022年09月11日(日)/予備日09月25日(日)
- テーマ
- ダブルロープクライミングとアルパインのグレード
- 狙い
- アルパインクライミングの基礎技術研究と練習、谷川岳一の倉沢南稜/中央稜等無雪期の人工登攀の無いルートなどを想定
- 場所
- 広沢寺の岩場
第3回
- 開催日
- 2022年10月16日(日)/予備日10月23日(日)
- テーマ
- アルパインクライミングの確保
- 狙い
- アルパインクライミングの基礎技術研究と練習、谷川岳一の倉沢南稜/中央稜等無雪期の人工登攀の無いルートなどを想定
- 場所
- 広沢寺の岩場
第4回
- 開催日
- 2022年11月13日(日)/予備日11月20日(日)
- テーマ
- アルパインクライミングの懸垂下降
- 狙い
- アルパインクライミングの基礎技術研究と練習、谷川岳一の倉沢南稜/中央稜等無雪期の人工登攀の無いルートなどを想定
- 場所
- 広沢寺の岩場
第5回
- 開催日
- 2022年12月11日(日)/予備日12月18日(日)
- テーマ
- 冬季クライミング(アイゼンクライミング)
- 狙い
- 冬季八ヶ岳赤岳主稜/中山尾根等の冬壁ルートなどの登攀を想定
- 場所
- 広沢寺の岩場
第6回
- 開催日
- 2023年01月15日(日)/予備日1月22日(日)
- テーマ
- アイスクライミング(基礎)
- 狙い
- 冬季八ヶ岳裏同心ルンゼから横岳登頂等のアイスクライミングルートからの登頂などを想定
- 場所
- 霧積温泉
第7回
- 開催日
- 2023年02月12日(日)/予備日2月19日(日)
- テーマ
- アイスクライミング(リード)
- 狙い
- 冬季八ヶ岳裏同心ルンゼから横岳登頂等のアイスクライミングルートからの登頂などを想定
- 場所
- 霧積温泉
第8回
- 開催日
- 2023年04月02日(日)/予備日4月09日(日)
- テーマ
- 人工登攀
- 狙い
- 無雪期の穂高岳屏風岩雲稜ルート/東稜ルート等の人工登攀ルート等の登攀を想定
- 場所
- 日和田山
第9回
- 開催日
- 2023年04月02日(日)/予備日4月09日(日)
- テーマ
- アセンディングと引き上げ(緊急時の対応)
- 狙い
- 無雪期の穂高岳屏風岩雲稜ルート/東稜ルート等の人工登攀ルート等の登攀を想定
- 場所
- 日和田山
第10回
- 開催日
- 2023年05月14日(日)/予備日5月21日(日)
- テーマ
- アルパインクライミング体験 (研究会のまとめ)
- 場所
- 越沢バットレス
- 注意事項
- ご参加いただくには、第4回「アルパインクライミングの懸垂下降」と第8回「人工登攀」への出席が必須となります
講師紹介
講師:安村 淳 氏
<プロフィール>
1946 年(昭和 21 年)生まれ、75 歳。16 歳から山歩きを、20 歳より岩登りを始
め、以後岩登りを中心に国内外で登山活動を行う。
40歳よりガイドを始め、アルパインクライミングと高所登山のガイドを行う。
2009 年のトムラウシ山の事故後、(公益社団法人)日本山岳ガイド協会が始めた危急時対応技術講習の講師として、ガイド試験合格者へ危急時対応技術講習を行う。
70 歳で日本山岳ガイド協会を退会し、ガイドを引退。
現在は、日本登山インストラクターズ協会(岩崎元郎理事長)で安心安全登山公開
講座を担当し、安心安全登山の啓蒙活動を行っている。
<資格>
日本山岳インストラクターズ協会講師、厚生大臣免許;あん摩マッサージ指圧師
元(公益社団法人)日本山岳ガイド協会危急時対応技術指導員
<主な登山歴>
ヒマラヤ;エベレスト(8848m)、チョーオユー(8201m)、シシャパンマ(8014m)、他
アルプス;モンブラン(4807m)、マッターホルン(4477m)、アイガー(3970m)、他
アンデス;アコンカグア(6950m)、チンボラソ(6310m)、ワイナポトシ(6094m)、他
北 米 ;マッキンレー(6192m)、Mt レーニア(4392m)、グランティトン(4196m)、他
ヨーロッパの岩場;ドリュ北壁、ミディ南壁、シャモニー針峰群の岩場、他
韓国の岩場;仁寿峰、仙人峰、将軍峰、蔚山岩、他
25 年間韓国仁寿峰に通い、「岩と雪」、「山と渓谷」、「岳人」等で紹介し、韓国国立公園管理公団より感謝碑を受ける。
講師より一言
私は優秀なアルパインクライマーではありませんでしたが、30年アルパインクライミングのガイドとして活動した経験から、ご参加の皆さん方と一緒に安全なアルパインクライミングの研究をしたいと思います。ご興味のある皆さん方のご参加をお待ちしています。
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登山の総合スキルを体系的に学びたい方必見!
当サイト「GoALP – 山を楽しむ人のための安心・安全登山メディア」の監修者でもあり、登山を教えることのできる者が集まった非営利集団で、山岳事故を減らすための啓発活動をしている日本登山インストラクターズ協会(2013年創立・岩崎元郎代表)が、来春より開催する6期目「JMIA登山講習会」の受講者を募集しています。あなたも、一年かけて実際に山に登りながら山岳指導者の手ほどきをうけてみませんか?