登山をされる方は、ビバークという言葉を聞いたことがある方も多いと思います。先日の、新潟の五頭連山での親子遭難事故でも、ビバークという言葉がニュースで伝えられていましたね。
ビバークとは、何らかのトラブルで日没までに目的地にたどり着かず、山中で予定しない野営を強いられることをいいます。
みなさんは、そのための知識やスキルはお持ちでしょうか?そもそもが万が一の事態のため、なかなかビバーク技術をみにつける機会が少ないというのが実情かとおもいます。
しかし、万が一の際に知識があるのとないのとでは生死を分けるといっても過言ではないと思います。GoALP インストラクターの栗山氏が主催するKuri Adventuresでは、ビバーク技術訓練の講習を実施しますので、ぜひチェックしてみてください。
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プログラム紹介
大自然の奥深くに足を踏み込む登山では、少しばかりのイレギュラーで日没に見舞われることがあります。
道迷いにより大幅に時間をロスしてしまう、捻挫や骨折により行動不能になる、悪天候により停滞を余儀なくされる。このような場合、山の中で夜を明かさなくてはならないことも起こります。
山の夜は冷え込みます。真夏ならばともかく、春や秋でも大変厳しい夜となります。
サバイバル生命維持3の法則はご存知ですか?
・3分間の心停止、呼吸停止で生命の危機に達する。
・3時間の低温、または高温で生命の危機に達する。
・3日間、水を得られないと生命の危機に達する。
・3週間、食料を得られないと生命の危機に達する。
登山において特に注意が必要なのが ” 3時間の低温 ” です!
冬はもちろん、無雪期の3シーズンでも、汗や雨に濡れていたり、風に吹かれていればあっという間に低体温症を引き起こします。ビバークにおいて雨風を避けるシェルターの設営や加温、保温はとても重要な要素となります。
この講習では、登山におけるシェルターの最も基本となるツェルトの設営方法と実際のツェルトビバーク体験を行います。
状況に合わせた様々なツェルト設営方法と、地面の断熱方法、就寝時に少しでも暖かく過ごすための手法などをお伝えします。
シェルターをすぐに設営できるスキルはとても重要です。
また窮地に追い込まれたビバークでは焚火で体を温めることも重要な技術となります。
もちろん一般登山の中で焚火を行えるシーンはありませんが、遭難時などでは生命維持が最優先されます。いざという時には、困難な状況でも火を起こせるスキルが問われます。
効率良く火をおこす事ができる植物、鎮火せずに火を大きくする枝の種類、火の管理方法などを学習します。
夜は焚火を囲っての宴会を楽しみ、各自ツェルトにて就寝します。
通常日帰り登山で持っている範囲の装備でビバークの体験をしますが、これはなかなか厳しい夜を過ごすこととなります。
でもこの講習は車を停めたところからすぐ近くの場所で行いますので、万が一の悪天候の際などでもすぐに車に逃げ込むことができます。
また予めマットと寝袋を用意しておき、どうしても耐えられないようであれば寝袋に頼ってしまうのも良いでしょう。
どのくらい辛いのか、保温がどれくらい大切なのかを経験することに大きな意味があると思います。
翌日は冷えと睡眠不足できっと疲労困憊…。
現地を早めに出発し、帰りにゆったりと温泉に立ち寄って帰路につきます。
ビバークはまず経験してみることが大切です。
基本となる技術を学習し、実際に安全な環境で経験を積み重ねてみましょう!
ご参加者様の安全登山にお役立て頂ければ幸いです。
日程
2018年8月4日(土)~5日(日) 【 締切 8/1 (水) 19:00 】
参加条件
テント泊登山経験があること
用意するもの
□ ツェルト
□ 寝袋
□ スリーピングマット
□ 3mm × 10m アクセサリーコード
□ ナイフ(小型のものでも可)
□ のこぎり(折りたたみのもの。Amazonで販売されている花小町を推奨。)
□ ライター
□ 軍手
□ プラティパス(2Lボトル)
□ エマージェンシーシート
□ 一般登山装備一式(レインウェア、防寒着、着替え、ヘッドライト、調理器具など)
□ 昼食・飲料(初日の昼・夜、二日目の朝・昼、十分な量の飲料水 )
費用
¥23,000 (税別)
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- トイレの無い場所でのビバークについて – 山の相談小屋
家族が安心して山へ送り出してくれる登山者になるために
当サイト「GoALP – 山を楽しむ人のための安心・安全登山メディア」の監修者でもあり、登山を教えることのできる者が集まった非営利集団で、山岳事故を減らすための啓発活動をしている日本登山インストラクターズ協会(2013年創立・岩崎元郎代表)が、来春より開催する3期目「JMIA登山講習会」の受講者を募集しています。あなたも、一年かけて実際に山に登りながら山岳指導者の手ほどきをうけてみませんか?