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雪山を歩行するための道具であるアイゼンとワカン、それぞれシチュエーションによって使い分けが必要ですが、それらの良いとこどりをしたのがスノーシューといえます。
新雪でのラッセルや角度のある斜面の登攀にも対応するスノーシューの機能を存分に使いこなすため、日本スノーシューイング連盟が主催する講習会に実際に参加された方から、昨年の体験レポートを寄稿いただきましたので紹介させていただきます。
レポートは基本となる雪山登山編と、応用編として雪上のトレイルランレースと言われる、雪原や雪山をスノーシューで駆け巡るレース編に分けてお届けします。
今シーズンの講習会も参加者を募集していますので、興味を持たれた方はぜひエントリーしてみてくださいね!
体験レポート
栗秋慶子(東京都在住・JMIA登山講習会3期生)
長かった正月連休の最終日、集合場所の越後湯沢駅は、遊びに来たレジャー客と都心へ帰るUターンで朝からにぎわっていた。
東京発 7:04 の新幹線に乗れば、8:20 の集合時間に間に合う。
こんなに近いのに、駅の外は雪景色。
この時期にしてはいつもより雪が少ないといわれるが、それでも雪山と言えるだ けの雪が積もっている湯沢は、スノーシューの講習会には最適だろう。
講習会の参加者は女性 3 名男性 1 名の 4 名、全員このシーズンに雪山を始めたばかり。
それに水上講師 とスタッフ田中さんの 6 名パーティである。
挨拶の後、9 時過ぎから、駅構内の人気のない場所で、テキストを見ながらスノーシューについての講習を受ける。
スノーシューという道具について、パーツと機能の説明をひととおり、そして機種によってどういった 違いがあるか、どういうものを選べば良いかなどのアドバイス。ここでは実際に、講師持参のいくつか のスノーシューを比べてみることができた。
また、スノーシューでの歩行について、登り、下り、トラバースのステップ、体重のかけ方、ラッセル方法など、実地練習 の前にひととおりテキストを確認した。
その後、雪山用の服装に着替えるため、改札横のコインロッカーに移動。
越後湯沢はスキーやスノボ客が多いためか、さすがに便利にできていて、大型ロッカーがたくさんあり、更衣室はないが着替えるスペースも十分にあった。
着替えやお風呂道具などはすべてロッカーに預けて身軽に出かけられる。
この講習では、本格的な雪山装備を一部簡略化してよいことになっていた。ピッケルやストック、ヘル メットも不要。グローブやスパッツ、靴も雪山用でなくても防水機能があればOK、ウェアも夏山用のカ ッパを代用できるなど、雪山未経験者でも気軽に参加できるのがありがたい。
それでも雪山ではあるので、持っている人は雪崩ビーコンを装着した。
10時、雪の積もった駐車場のようなスペースで、いよいよスノーシュー装着だ。
手袋をした手では難しいが、装着のコツもしっかり教わる。
どこに足を置き、どこに気をつけて締めるか…上手く装着できる と、明らかに歩きやすいし外れにくい。
おぼつかない足取りで新しい雪の道をしばらく歩き、斜面のあるところで歩行などの練習を行なった。
列を作ってラッセルで道を作ったり、膝上ぐらいに積もった雪の斜面を登ったり下りたり。
また斜面に道を作って、駆け下りる練習がとても楽しかった。思ったよりも走れる。
一歩の幅を大きくするために、 リズムよく少し飛ぶような感覚で駆け下りると、けっこうなスピードが出る。
しっかり足を上げるのが コツのようだ。
まさか雪の上をこんなふうに走れるなんて!転んでも下はふかふかの雪だから痛くないし、何度も練習 しているとみんな上手くなってくる。
スノーシューのレースに出たら?なんて話も出てくる。
汗が出るまで走った後、かるく食事休憩をしてから、いよいよ本番。山に登るのだ。
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登山口に着いたのが12時。この頃から雪が降り始めたが、歩いているとやはり暑い。
道無き道を、道を作りながら進んでいく。雑木林の斜面をラッセルしながら少しずつ登る。
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スノーシューは、まさにアイゼンとワカンのいいとこ取り で、アイゼンのようにしっかり斜面にも摩擦が効くし、沈みすぎない。
かつ、ワカンと違って、固定されているのはつま先だけなので、非常に 歩きやすい。
キックステップを蹴り込む時に多少バタバタするが、軽いので、慣れてくると大胆にキッ クできるようになる。
徐々に斜面が急になってきて、雪も腿くらいの深さになってきた。
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その後、少し吹雪いてきたので、スピードが落ちてきた。天候と帰りの時間を見計らい、下り始める時間を 14 時と決めた。
結局山頂にはたどり着かなかったが、記念撮影をし て下山開始。
私は、普段の山でも下りが苦手で遅くなってしまうことが多いのだが、スノーシューは底の爪をアイゼンのように効かせることもできるし、底面が広いので踏んできた道をスキーの ように使って雪面を滑ることもできる。
時々足を滑らせて尻餅をついたりしながらではあるが、ずいぶんスムーズに下山できた。14:40 には登山口に着いてしまった。
よくある「スノーシュー体験」のようなお散歩イメージとはほど遠い、思った以上にしっかりした登山だったが、スノーシューはすごく頼りになった。
これはたしかに、平たいところを歩くだけではもったいない!アイゼンとワカンの両方の仕事をしてくれるので、最初から最後まで履きっぱなしでいいのも嬉しい。
今朝初めてスノーシュー履いたの だが、頼もしくてすっかり気に入ってしま った。
登山口から数分歩くと、もう越後湯沢駅 だ。新幹線の駅から徒歩数分の登山口ってすごい。しかも、なんと駅の中に温泉もあるので、温まってサッパリと着替えて、これまた駅構内の蕎麦屋で反省会をして 18 時前には新幹線に乗車。
次はどこに行こうかな…スノーシューで行ける山を探さなくては!
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>>雪山編に続く、 スノーシューを使いこなすための技術講習会体験レポート 〜レース編 〜
詳細
- 主催
- 日本スノーシューイング連盟
- 開催日
- 2020 年 1 月 5 日(日)
- 集合
- 8 時 20 分 越後湯沢駅集合
- 場所
- 越後湯沢駅から徒歩圏の裏山
- 天候
- 曇りのち雪
- 行程
- 8:30 着替えなどの準備・移動
- 9:30 駅構内でレクチャー・移動(駅構内)
- 10:00 スノーシュー装着、歩行練習
- 11:30 休憩、昼食
- 12:00 登山開始
- 14:00 休憩
- 14:10 下山開始
- 14:40 下山
- 15:00 解散(越後湯沢駅
- 事前準備
- スノーシューイング技術大系(各自電子書籍購入、プリントアウト) (著 水上宏一郎 日本スノーシューイング連盟推奨 powered by GoALP)
- 講師
- 水上宏一郎(日本スノーシューイング連盟専務理事・技術指導部長) スタッフ 田中宏(日本スノーシューイング連盟)
- 受講者
- 4名
スノーシューイング技術講習会に参加するには
今シーズンの募集要項はこちらに詳細をまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。
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