相談者:A.H (男性/60代)
定年を期に山登りをはじめました。まだまだ体力はあると自分では思っていますが、登山でのトラブルは中高年に多いと聞きます。トラブルの事例や気をつけるべきことなど登山インストラクターの皆さまの知見をご教示いただけますでしょうか。
「いいね!」すると登山に関する情報を受け取れます↓
JMIA認定インストラクター
大津 洋介
大津 洋介
私の会では主に中高年の方々がほとんどですが、今までインストラクションを実施している中で実際におこった事故は転倒による骨折3件、病気による意識不明2件です。いずれも救助隊の助けをかりて無事に解決してきました。
この中で転倒などは物理的なもので下山時に発生しています。年齢が上がれば当然疲れやすくなり、集中力も続かなくなります。下山時にはお互いに声がけ等の注意喚起を積極的に行うとともに、余裕をもった登山計画を立てることが必要です。
病気につきましては心筋梗塞と低血糖によるもので、心筋梗塞につきましては全く自覚症状なしで突然に発生しました。
低血糖は糖尿病でインシュリン注射をしている方で病気については私は知らされていませんでした。
病気に関しては発生予測予防は難しいですが、山に入る前に体調、常備薬があるか、現在の病気などの情報をできるだけ得る必要があります。 さらに自身の体調が不良なときにはできるだけ早くリーダー、メンバーに報告すること、またそれが報告しやすいような環境作りが必要です。
警察庁から発表されている平成27年における山岳遭難の概況をみると遭難の発生状況は2,508件、遭難者数3,043人と過去最高でした。その中で60歳以上の中高年は全遭難者数の51.4%と約半数を占め大変に多くの中高年者が遭難していることが示されています。
これらはいつもニュースに話題になっていることです。まだまだ若いと思う事は必要ですが、体力、バランス感覚などは若い頃より退化していることを自覚して山に登ることが必要です。
解決相談者:A.Hさん
丁寧な回答ありがとうございました。確かに、何かあったときに報告しやすい環境作りというのは大切ですね。体力的に衰えているということは常に自覚をもって行動したいと思います。
↓↓ あなたも気になることがあれば、気軽に聞いてみましょう! ↓↓
合わせて読みたい
登山の総合スキルを体系的に学びたい方必見!
当サイト「GoALP – 山を楽しむ人のための安心・安全登山メディア」の監修者でもあり、登山を教えることのできる者が集まった非営利集団で、山岳事故を減らすための啓発活動をしている日本登山インストラクターズ協会(2013年創立・岩崎元郎代表)が、来春より開催する6期目「JMIA登山講習会」の受講者を募集しています。あなたも、一年かけて実際に山に登りながら山岳指導者の手ほどきをうけてみませんか?
コメント
Comments are closed.