テント泊に向けてのトレーニング – 山の相談小屋

相談者:S.Y (女性/40代)
今夏初のテント泊をするのに、色々調べ物をしていて最近こちらのサイトに行き当たりました。
まだまだ読み切れておりませんが、大変参考になっております。

テント泊に向けてボッカトレをしているのですが、ズシッと重さが肩にくる肩荷重のリュックで練習をして本番は軽く感じる腰荷重のリュックで行けば楽かと考えているのですが、練習も本番用の腰荷重リュックでしたほうがいいのでしょうか?
それとも重みを感じる肩荷重のリュックで練習したほうが当日は楽に行けるでしょうか?
よろしくご教授お願い致します。

「いいね!」すると登山に関する情報を受け取れます↓

JMIA認定インストラクター
栗山 祐哉
登山教室 Kuri Adventures 代表の栗山です。

テント泊山行を行う上で大切な体力の在り方ですが、どちらかと言うと長時間運動能力と心肺機能の方が重要だと感じます。
どの程度の荷物を背負うかにも寄りますが、恐らく初めのうちは1泊2日程度の山行が主だと思います。そうなると12kg~16kg程度の範囲に総重量を抑えられると思います。このくらいの重量の範囲であれば、よほど運動不足の方でない限り筋力的な問題はあまり出ないと考えられます。

普段より重たい荷物を背負って歩くと、心拍が乱れがちになります。
心拍数を上げずに行動するためのペースや感覚を身につけるのに、LSDトレーニングが適しています。長時間一定のペースで行動し続けるためには、心拍数をあまり上げずに一定で保ち続けるテクニックや、長時間運動に適した体作りがとても重要になります。
心拍数を120~140の間に保つ程度の、歩くより少し早いくらいのペースでのジョギングを、週に2回程度、一回1時間以上行うようにすると良いでしょう。
その上で心肺機能を鍛えるため、週に1度程度のインターバルトレーニングを行うと効果的です。心拍の乱高下に対する疲労が出にくい体ができ、且つ心肺機能も向上します。

歩荷トレを行うなら、女性であれば40kg程度を目安とし、しっかりと腰に荷重されるよう正しいフィッティングを行って歩きます。こちらも週に2回程度、必ず間にレスト日を設けながら行うと良いでしょう。

また体力的な面だけでなく、テクニック的な面も重要となってきます。
心拍数を上げないペースをコントロールする歩行技術と呼吸法、エネルギー代謝を考えた行動食摂取、テント泊でもしっかりと眠れる技術などのほうが、快適な山行を行う上でより重要だったりします。

先日、メイツ出版より ” はじめてのテント山行 ” という本を出版致しました。
テクニックに関しては書籍に詳しくまとめておりますので是非ご一読願えれば幸いです。

はじめてのテント山行

はじめてのテント山行 「登る」&「泊まる」 徹底サポートBOOK (コツがわかる本!)


また首都圏にお住まいであればですが、500円で学べるワンコイン座学講習にて、テント泊登山の初め方を指導しております。お足お運び願えれば、直接質疑応答にてお悩みについてお答えさせて頂きます。
是非ご参加願えれば幸いです^_^

https://www.kuri-adventures.com/ワンコイン座学講習/テント泊登山の始め方/

解決相談者:S.Yさん
いろいろと丁寧にご教示くださりありがとうございました。
書籍や講習のご案内もありがとうございます。確認してみます。

インストラクターに相談する(無料)

 

家族が安心して山へ送り出してくれる登山者になるために

当サイト「GoALP – 山を楽しむ人のための安心・安全登山メディア」の監修者でもあり、登山を教えることのできる者が集まった非営利集団で、山岳事故を減らすための啓発活動をしている日本登山インストラクターズ協会(2013年創立・岩崎元郎代表)が、来春より開催する4期目「JMIA登山講習会」の受講者を募集しています。あなたも、一年かけて実際に山に登りながら山岳指導者の手ほどきをうけてみませんか?

沢、岩、雪山などの山仲間を作りたい方

四季を問わず縦走・岩登り・沢登りを始め、読図にこだわった藪山や雪山縦走、あるいはトレイルラン・アイスクライミング・山スキーに至るまで様々な趣向をもった山の仲間と、登山の基本技術項目15単位を入会者ご自身のペースで、およそ3年以内をめどに受講いただける登山講習です。

SNSでもご購読できます。

キーワードで記事を検索

コメント

Comments are closed.